あなたのインタビューはなぜ使われないのか?(7/21追記)

こんにちは、ZOOMYです!


仕事柄、インタビューをよくやります。
今もあるインタビュー動画を編集しているのですが、
これまで感じてきたことをまとめてみようと思い筆をとりました。


これからインタビューを受ける予定がある方は、きっと参考になると思います。


僕が作っているのは、主に密着ドキュメンタリーです。
数えてみるとこれまで200本以上作っていました。
いつも取材対象者に、手を替え品を替えあれこれ質問します。
5歳のアイドルから果ては??歳のレゲエDJまで、
老若男女問わず面白い話を聞き出すために数え切れぬほどインタビューしてきましたが、
不思議なことに、映像では「面白いのに使いづらいインタビュー」や、
逆に「面白くないのに使えてしまうインタビュー」があるということに気づきました。
映像には、雑誌や新聞など文章のインタビューとは違った、独特の文法やリズムがあるのです。
今回はそのことをお話しします。


一般的に、インタビューでは単純に面白い話をすればいいと思われている方が多いのではないでしょうか。
文章の場合ならそれで正解です。
しかし、映像の場合そうとは限りません。
なぜなら、映像は時間表現だからです。
どれだけ区切って細かく編集できるか、その許容範囲が問題になります。


インタビューのテープ起こしをしたことがある方はよくご存知だと思いますが、
人間の会話はそのまま文字にするとかなり意味不明です。
「う〜」とか「あ〜」のオンパレードです。
(大学生のとき、僕はクソ真面目にこれを全部文字起こししてしまい、先生に失笑されました)
哀しいかな人間は、言葉に詰まったり、言い間違えたり、いきなり話が飛んだり、
また同じ話を繰り返したりする生き物です。
文章ならそれを後から無時間的に順番を入れ替えて、意味が通るように編集しなおせます。
一文字単位で、無限に編集できるのです。
ここが映像との大きな違いです。


映像にも編集という作業はあります。
けれども、映像の編集には限度があります。
例えば、ワンカメでひとつの話題について編集するとき、
僕の場合、編集点はせいぜい3つまででしょうか。
それ以上は、僕の中の美学がアラームを鳴らし始めます。
あまりにカットを割られると、普通人間は見る気をなくしてしまいます。
単語ごとに違うカットで構成されたインタビュー映像を想像してみてください。
YouTuber の動画で散見するのは、
同ポジなのにミスを隠すため単語単位で編集している方です。
彼らなりの見やすくするための努力なのでしょうが、正直僕はイラッとしています。
編集する時間があるなら是非撮り直してほしいです。
その手間を解決するための手法が、
パラ回し(同時にカメラを複数台回すこと)だったりするのですが、
話が逸れてしまうので今回は割愛します。


すごく単純に言うと、
映像ではひとつの話題について3回までしかミスが許されないことになります。
これは結構ハードルが高いです。
ただでさえ言い間違えが多いのが人間という生き物なのに、
カメラを向けられてミスなくひとつの話題を面白おかしく最後まで話し通せるでしょうか。
はっきり言って僕は無理です。
決められたコメントを言うだけの、撮り直しができるインタビューなら、
数撃ちゃ当たるで済むかもしれません。
しかし、筋書きがなく、再現不可能が醍醐味のドキュメンタリーでは、
そうはいかぬのです。
今まで数百人に密着インタビューしましたが、
ほとんどミスせず話しができる達人には数名しか出会っていません。
ちなみに、その中の一人が元Berryz工房の嗣永桃子さんです。
動画のリンクを貼っておきますが、冒頭だけでもいいので見てください。
ももち先輩のトーク力はマジでハンパないです。


せっかく話は面白いのに使いづらいインタビューが数多く出てきてしまうのは、
主にそういう理由からなのです。
使ってもらえるインタビューをしゃべりたければ、
まず、言葉に詰まったり言い間違えない努力をしてください。
嗣永さんはおそらく相当努力されてきたんだと思います。


しかし、いきなり嗣永さんレベルを目指すのはかなり大変です。
そこで、今すぐできる「使われるインタビュー」の簡単なコツをお伝えします。


それは、【キーワードを短いセンテンスの中で言い切る】ということです。


インタビューでディレクターが一番求めているのは「キーワード」です。
キーワードさえゲットできれば、勝ったも同然と心の中でガッツポーズしています。
実は、人間はとても注意力散漫な動物なので、
こちらがちゃんと意味のある話をしても、
相手には単語しか伝わらなかったりします。
つまり、視聴者には単語しか伝わらない可能性があります。
さらに言うと、単語すら伝わらない可能性だってあるのです。
それは何としても避けたい事態です。
ですから、インタビューではひとつの話題の中に、
印象的なキーワードを最低ひとつ入れてください。
同じキーワードを繰り返し使っても構いません。
むしろ何度も使った方が印象に残るので効果的です。


「短いセンテンス」の理由は、映像ではひとつの話題を長く使えないからです。
目安は1分くらいです。
なぜなら、人間は飽きっぽいからです。
(さっきから人間をバカにしすぎで申し訳ないです。けれども事実なのです。)
話が長いせいで、途中で映像を見るのをやめられたら、元も子もありません。
そんなわけで、1分以上の話をされても、結局使われるのは1分間だけです。
なんだかもったいなく感じませんか?
しかし、仕方ありません。
編集する側も泣く泣く切っているのです。
どうか、短くまとめていただきたい!


「言い切る」というのは、話し手のテンションを指します。
いい話なのに語尾が尻すぼみだったり、自信なさげな印象だと、
途端に使いづらくなってしまいます。
ディレクターは、内容的にも勢い的にも「キレのあるインタビュー」を撮りたいのです。
ですから、逆に「面白くないのに使えてしまうインタビュー」が存在するのは、
そういう理由です。
何かをドヤ顔で自信持って言い切っていたり、勢いさえあれば使える時があります。
勢い系インタビューとして、僕の中で特に印象に残っているのは、
Rhythmic Toy WorldのVo.内田くんです。
彼はもともと話がとてもうまいのですが、特に締めのインタビューが秀逸でした。
リンクを貼っておきますが、最初から最後まで見るのをお勧めします。
内田くんのドヤ顔をよく見てあげてください。
(ついでに、曲もすごくかっこいいので聴いてあげてください)


俺が燃えない!


僕もいつかインタビューされたら言ってみたいです。



【追記(7月21日)】
テレビ業界の裏側と家族愛を描いたノンフィクション小説を出版しました。

僕の助監督&ドキュメンタリーディレクター時代の話を書きました。
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