カンフーと映像制作の共通点
こんにちは、ZOOMYです!
よく、
「どうやったら映像撮影が上手くなりますか?」
「撮影を勉強するにはどうすればいいですか?」
と聞かれることがあります。
でも僕、実はほとんど勉強したことないんですよ^^;
専門学校では、撮影は友人にお願いすることが多かったし、
助監督時代は、カメラに触ったら撮影部にぶん殴られるので(笑)
なるべく寄り付かないようにしていました。
映像を本格的に撮り始めたのは、
TVドキュメンタリーのディレクターになってからです。
練習期間なんてありませんでした。
いきなりカメラを渡されて「撮ってこい」って感じでした。
もちろん、最初は怖かったです。
だって、テレビで全国放送されるんですから。
で、僕がカメラを持たされて7日目くらいに撮影した映像がこれです。
どうでしょう、勇気が湧いてきませんか?^^
この程度のスキルでも、テレビ放送して大丈夫なのです。
被写体は紅白歌合戦にも出たクリス・ハートさん。
技術的に見ると、なんの変哲もない映像です。
人物を中心に、スムーズな視点移動を心がけました。
あとは、ライブの観客数がすごかったので、会場全体の引いた画と、
クリスの歌っている表情のアップを撮りました。
要素としてはそれぐらいです。
でも、ちゃんと作品として成立していますよね。
なぜ初心者の僕がそれをできたかというと、
理由はひとつしか考えられません。
それは、たくさん映像制作の現場を見てきたという経験です。
助監督としてドラマの現場にいただけで、
どれくらい引き画が必要で、どれくらい寄り画が必要か、
撮影のリズムがなんとなく身についていたのです。
こういう話って、カンフー映画によく出てきます。
主人公は修行したがっているのに、老師がなかなか修行させてくれません。
代わりに、カンフーとは関係ない老師の身の回りの世話をさせられます。
掃除や洗濯、薪割りなんかですね。
主人公がイライラしているある日のこと、
敵が現れ、主人公は思わずそいつらをやっつけてしまいます。
実は、主人公は自分でも気づかない間にめちゃくちゃ強くなっていました。
なんと雑用の全てがカンフーに必要な要素だったのです。
これはフィクションの世界の話ですが、
現実世界でも似たような話があります。
例えば、落語などの古典芸能。
弟子入りすると、弟子はまず師匠の身の回りの世話をさせられます。
最初の数年間は、芸事を何も教えてもらえません。
数年が経ち、本当に教えてもらえるか弟子が不安になってくる頃、
「そろそろかな」
と師匠がつぶやき、やっと稽古が始まります。
では、この「教えてもらえない期間」はどうして必要なのでしょうか?
それは、脳科学的には「ミラーニューロン」を活性化させるためです。
ミラーニューロンとは、霊長類に見られる脳内の活動のことです。
例えば、誰かが走っている光景を見ているとします。
すると、あなた自身は走っていないにもかかわらず、
脳内の「走る」ことを司る部位は活発に活動を始めます。
頭が勝手に「走る」ことをシミュレーションしてしまうのです。
ミラーニューロンはヒトに快感を与えるらしく、
スポーツ番組が人気なのはそのせいです。
イチローがヒットを打ったり、走ったりするのを見ている時、
脳内ではイチローの動きをシミュレーションしています。
自分も同じように打ったり走っているように錯覚して、
それが気持ちいいのです。
さらに、ミラーニューロンを活性化させると面白いのは、
今まで自分にできなかったことができるようになることです。
あなたがもしバク転したいなら、
バク転する人の動画を繰り返し見てください。
ミラーニューロンによって脳内に「バク転」の回路が出来上がります。
あとは少し練習すれば、比較的スムーズにバク転を習得できるでしょう。
部活で顧問から初心者は
「先輩のをよく見とけ!」
って言われますよね。
あれには脳科学的な根拠があったわけです。
古典芸能やカンフーで、
師匠から何も教えてもらえない期間というのは、
ミラーニューロンを活性化させて、
脳内に師匠の行動をインストールするために必要なのです。
回路さえ弟子の頭の中にできれば、あとは簡単です。
自然と師匠のような達人になっていくでしょう。
これは映像制作でも同じです。
撮影が上手くなりたいのであれば、
まずは一度でもいいので何かの撮影現場を見学するのが、
遠回りなようで一番の近道です。
そうすれば、いつの間にかあなたも
いっぱしのカメラマンになっているはずですよ!
PS.
ミラーニューロンでもう一つ面白い話があります。
ヒトにミラーニューロンを活性化させまくる薬を投与すると、
幽体離脱現象が起きるのだそうです。
自分の寝ている姿を上から眺めるというアレです。
どういう原理なのかわかりませんが、実に面白いです。笑
PPS.
明日、お知らせしようと思っていることがあります。
楽しみにしていてください!
(今、間にあわせるために必死こいてます^^;)
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